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光信号処理のための回路設計・
シミュレーション

分野
光通信工学、電磁波工学、電磁波伝搬シミュレーション
キーワード
光通信、光ファイバ、フォトニック結晶、非線形光学効果、シミュレーション
情報工学部 情報通信工学科

教 授前田 洋

研究概要

 光通信工学や光情報処理のために、光信号をその振幅や周波数に応じて伝送・分配・処理するための回路の設計をシミュレーションによって行っている。光の伝送路(光導波路、ひかりどうはろ)に閉じ込めた光波を、分波・合波、フィルタリング、経路制御などを行うための基本的な構造について、研究している。すべて光信号のままで情報を処理できるようになると、現在の電気-光変換の手間を要しないために、高ビットレートで大容量の光通信実現できるほか、光によって計算を行うより高速なコンピュータも実現できると考えられる。そのための基本的な回路の設計と計算を行っている。伝送路としては、2次元構造を主に取り扱っている。特に、周期的な媒質定数の分布により実現される、フォトニック結晶(または電磁バンドギャップ構造)と呼ばれる構造を用いた信号処理に関する研究を多く行っている。また、電界の大僅差によって媒質定数(誘電率など)が変化する非線形現象の応用も研究している。

利点・特徴

 フォトニック結晶構造は、2次元の場合、柱上の媒質を単純に繰り返し配置した構造で実現できる。光周波数だけではなく、無線LANや電子レンジで用いるマイクロ波、ラジオ・テレビの放送波に対しても原理的には同様の性質を持つ。周期構造の中に、部分的に周期性が欠如した欠陥列を設けることで光や電波を閉じ込め、伝送することが可能である。光の場合、この構造中にレーザ媒質を組み込むことで、一体型(モノリシック)な光集積回路の実現が可能である。本研究室では、光の代わりにマイクロ波を用いたフォトニック結晶を構成し、実験とシミュレーションによって様々な回路の特性の確認を行っている。
 また、非線形光学効果を応用し、光の振幅に依存して回路内の伝送経路を切替えたり(光スイッチング)、光で論理演算(光コンピューティング)を行う回路の設計も行っている。これにより、高速な光演算が可能になると考えられる。

応用分野
  1. フォトニック結晶の応用
    • 光集積回路・マイクロ波回路の高密度な集積化技術
    • 周期構造による完全バンドギャップを利用した電磁波遮断効果を持つ建物の構造設計
  2. 非線形光学効果の応用
    • 長距離伝送でもパルス波形が崩れない光ソリトン通信は、既に光ファイバ通信において実現
    • 光の振幅に依存した伝送経路の切替えを応用した、インターネット通信における光ルーティング
    • 2つの光入力間での論理演算回路の設計(光コンピューティング)

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