工学部電子情報工学科

小さな基板に
大きな夢をのせて
ロボットやスマートフォン、家電製品など、現代人の生活に欠かすことのできないエレクトロニクス。しかし、この分野はまだまだ発展の途中。半導体や電子回路といったハード技術、プログラムなどのソフト技術に、新しいアイデアをプラスすることで、まだ誰もやっていないことにチャレンジできるフィールドです。手のひらサイズのマシンが、いつか世界を大きく変えるかもしれない。そんな未来をつくるのが、電子情報工学科です。
学習領域
学びのキーワード
- 電子部品
- 半導体
- アンドロイド
- インターネット
- クラウドコンピューティング
- 3D カメラ
- MEMS(微小電気機械システム)
- スマホ・タブレット
- 太陽光発電
- インバータ
卒業後の進路
- コンピュータ技術者
- システムアドミニストレータ
- 電機メーカー
- 電子・電気系研究・技術者
- 電設設計会社
- ネットワーク技術者
- 半導体メーカー
- 無線通信技師
- 医療機器メーカー
- 電気工事士
4年間の流れ
1年次

電子機器やプログラミングに興味があり、奨学金制度もあったことで本学科を選びました。自分で基礎学修をした上で授業に臨む「反転授業」など、高校時代の学びとはいろいろな部分が異なりますが、予習・授業・復習がセットで習慣化され理解を深めることができています。C言語の授業や電気回路など、プログラミングに関する力を伸ばしていきたいです。
まずは自然科学の基本から。
しっかりと基礎を固めるから、
その後の伸びがちがう。
専門分野の勉強に向けて、ベースとなる数学や物理などをレベル別の少人数クラスで学び、エンジニアとしてのしっかりとした基礎をつくります。また、座学だけでなく実際に体験できる実践型の授業スタイルを取り入れることによって、モノづくりの楽しさや喜びを感じられる動機づけを行い、学ぶ意欲を高めます。

Pick Up 授業
プログラミングⅠ
ソフトウェア開発に必要なプログラミング技術の基礎を学びます。最もよく利用されているC言語を中心に、さまざまな演算子や条件文を用いてプログラミングの入門的な内容を、実際にPCを操作しながら学習します。毎回の講義内容はすべて動画としてネット公開されるので、分からない所も繰り返し自分のペースで勉強することができます。
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2年次

チームごとにゲームを作る「プログラミング演習」では、1年次の学修内容やスキルをすべて使います。グループワーク実験や今までの授業経験から、作業分担や問題が起きたときの対処法など、周りと協力しながら成し遂げるコミュニケーション力も身についてきたと実感中です。今の目標は無線通信の資格取得。さらに学びを深めていきます。
理論と実践を通して
電子情報工学の基礎を学び、
専門分野のトビラをひらく。
電気回路・電子回路・計測制御・情報処理・半導体デバイスなど電子情報工学の基本となる各分野を理論と実践で学びます。専門知識の幅を広げるとともに、演習を通してエンジニアとしての技術力も高まります。また同時に、自分の進むべき方向性を考える大切な時期でもあります。

Pick Up 授業
電子回路
電子回路Ⅰ、Ⅱおよび電子回路応用、電気電子回路実習から構成される電子回路関連科目は、電子情報工学のひとつの柱です。半導体の物性、ダイオード、トランジスターなどの能動素子の原理、増幅回路の基礎および応用などを中心に学びます。また、毎回演習問題を解くことで理解度を確認し、実践的感覚を身につけます。
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3年次

2年次までの学修で、プログラミングへの興味が増えていきました。授業以外の時間も、図書館でプログラミング言語に関する本を借り、応用情報技術者資格の勉強をしています。大学院に進学し、プログラムスキルやプレゼン力、アイデア力を高めたい。卒業後は会社を立ち上げ、今の学びを社会のために活かすという最終目標に向けて前進中です。
2つの専門分野それぞれの
応用分野を学ぶ。
エンジニアとしての成長期。
2年次までの基礎的な学びを組み合わせた応用分野を学び、つくる技術・動かす技術の両方を身につけます。また、総合科目や創成実験などで基礎力と応用実践力を高め、現代エレクトロニクス技術者として大きく成長します。

Pick Up 授業
創成実験
デバイス系、回路系、情報系、総合系から自分でテーマを設定し、2年次までで学んできたさまざまな知識や技術を活用しながら実践的に学ぶ授業です。チームで企画し協力して課題に取り組み、失敗を重ねながら挑戦し続けることで理解を深めるとともに創造力を育んでいきます。
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4年次

これまでの総復習と応用力を磨き、卒業研究に取り組んでいます。ハード系の分野を選択しましたが、実験ではソフトの技術も使うため、どちらの学びも活かされています。多角的な考えも必要になるので、自分で考えたプランだけなく、研究室の仲間に相談しながら進めています。今後は、大学院に進学し、今の研究をさらに突き詰めていく予定です。
学びのすべてを、
研究に注ぐ。
大学生活の集大成。
本格的に研究室に所属し、これまでの学びを総結集して卒業研究に取り組みます。卒業研究では、さまざまな社会の課題に対して各専門分野を活かした対処や解決方法を学びます。また、4年次では就職活動や大学院入試など、その後の進路に向けた活動も本格化し、まさに4年間の集大成となる1年となります。
研究テーマ例
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松木研究室
津波発生時における浸水状況可視化に関する研究
津波から身を守るため、陸地を遡上する津波の浸水状況可視化システムの研究を行っています。
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野瀬研究室
学習モデルのゼータ関数の解析
機械学習やディープラーニングとも関係の深い学習理論において、数理的側面から解析を行っています。
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山﨑研究室
ヒトの脳における目からの視覚情報の処理機構
目で見たものが脳の中でどのように取り扱われ形を認識しているのかを、視覚実験を通して調べる研究です。
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前田研究室
低次元ナノ材料の物性・機能と電子材料応用の研究
グラフェンなどの2次元物質原子層の作製コストを低減する成長法と超高感度センサ応用の研究を進めています。
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小野美研究室
超伝導体を利用した高速・低消費電力信号処理回路
極低温下で超伝導特性を示す金属系超伝導体を利用した電子回路の研究を行っています。
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研究の現場から

小さな膜が次世代通信の鍵となる
家形研究室
静磁波フィルタの開発
真空中でプラズマを発生させる、大きな機械。作っているのは、磁石の波の性質を利用したフィルタと呼ばれる小さな膜状の部品だ。実用化すれば、スマホなどの移動通信デバイスで超高速インターネットを実現させるという。研究はまだ道半ば。まだ誰も見たことのない世界を、その瞳は見つめている。

田中研究室
未来をひらく
先端半導体プロセス技術に関する研究
家電から、モバイル、IT、自動車やエネルギー関連に至る分野で用いられている半導体製造過程に不慮に混入する不純物の特性や制御の研究を行っています。微細加工技術発展のため不純物種の拡散シミュレーションと実験値から拡散モデルを構築しています。生活のあらゆるシーンで活躍するエレクトロニクス応用技術に貢献できる研究です。

盧研究室
写真撮影だけで計測対象の
三次元的な情報を取得する技術研究
「3D画像計測とロボットビジョン」をテーマに、光投影理論に基づいた計測技術を提案し、3Dカメラを開発。すでに日本やアメリカなどの国と地域の特許を数多く取得しています。生産ラインの良・不良の自動判定や津波計測のほか、3D写真に基づく顔認証システムは、銀行や空港などでテロ対策にも役立つため、産業発展や人類の生活に貢献できる研究です。
資格
就職に役立つ情報・無線系資格取得を各種講座でサポート。
資格取得支援のための科目を2科目設定しているほか、課外講座を通年及び夏期集中で5講座実施し、支援環境を整えています。
取得できる教員免許状 | 高等学校教諭一種(工業) |
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取得を支援している資格 | 第一級陸上無線技術士 / 第一級陸上特殊無線技士 / ITパスポート / 基本情報技術者試験 / MOS(Microsoft Office Specialist) |
※資格取得には所定の単位取得が必要です。(取得を支援している資格は除く)
※資格の教職免許については、再課程認定申請中です。ただし文部科学省における審査の結果、予定している教職課程の開設時期が変更となる可能性があります。
就職
(2018年3月卒業者実績)
- 全卒業者数…………………69人
- 就職希望者数…………………63人
- 就職者数…………………63人
- 大学院進学者数…………………6人
- 【就職状況】
就職先一覧 過去3年実績一部抜粋
ソニー/東芝/日本放送協会(NHK)/デル/きんでん/ゼンリン/大王製紙/日本無線/九電工/協和エクシオ/ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング/大分キヤノン/関電工/東芝テック/住友電設/NECネッツエスアイ/日本コムシス/日本電設工業/ケーヒン 他
関連リンク 就職内定実績を見る
内定者メッセージ

就職サポートを最大限に活用。
自分の意欲次第で夢が広がる大学。
髙山 涼 さん
工学部 電子情報工学科 4年 (福岡県 香椎高校)
内定先:ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社
私は今、安価で高品質な半導体をつくるグラフェンの研究を行っています。就職活動では就職サポートを最大限に活用し、さまざまな先生からの面接のアドバイスが大変役立ちました。また、資格支援サポートも活かして難関資格も取得。授業でも就職活動でも自分の意欲次第で手厚くサポートしてくれるので、ぜひ活用してほしいと思います。

ハード・ソフトの両面から学べるので
将来の選択肢が無限大に広がります。
金子 大祐 さん
大学院 工学研究科 電子情報工学専攻 2年 (福岡県 田川高校)
内定先:アイコム株式会社
ハードとソフトの融合をコンセプトにした本学科は、私にとって理想の学科。学ぶことすべてが面白く自発的に学ぶ姿勢も身につきました。就職活動中は、履歴書の添削や面接練習を多く利用し、交通費支援制度も遠方企業の就職活動で活用しました。就職後は、今ある製品にさらなる技術を加え、企業商品の世界シェアを今以上に広げたいと考えています。
教員メッセージ

ハードとソフトが融合した本学科の学びは、
就職でも進学でも大きな武器になります。
電子情報工学科 学科長 片山 龍一 教授
電子技術(ハード)と、情報技術(ソフト)を同時に学べる本学科では、工学分野についての知見を幅広く深めることができます。また専門的な学びの中で、学生が興味のある分野を自分で見つけるため、就職先とのマッチングも高いことがわかっています。今年度は、新たに制御工学を専門とする教授を迎えました。学生はより充実した環境の中で学修に取り組むことができ、新たな学びの可能性が広がります。